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日本酒ができるまで

精米

まず「お米の精米」をします。精米はお酒造りに不要なものを取りのぞくために行われ、特に吟醸酒のような高級酒はお米の中心部分のデンプンを残すばかりに極限の精米をします。そのために食事用のお米の(お米同志がこすれ合う)横型精米機とは違った(お米にやすりをかける)竪型精米機を使い、普通のお酒で75%くらい、吟醸酒ですと60%以下になるまでお米のまわりを削り落とします。前者ですと6〜10時間くらい、後者ですと30〜60時間くらいかかります。

洗米

お米を洗米してついている糠を取ります。ご飯のお米を研ぐのと一緒です。大吟醸用のお米などは手で研ぎますが、普通酒などは1〜2トンの米の使用量となりますので、機械で研ぎます。洗米機の大きさや構造はいろいろです。まぁ給食センターの道具と同じです。古いものでは帝国海軍の軍艦の洗米機なども現役で使われています。

 

吸水

浸漬タンクに入れて、お米に水を吸わせます。これもご飯を炊く時と一緒です。普通のお酒の場合は数時間(6〜10時間)ですが、大吟醸酒の時の吸水は、吸いすぎを避けるために分単位の微妙さで「限定吸水」というストップウオッチ片手の作業となります。

 

蒸米

  水を張った和釜の上にセットされた甑(こしき)というセイロにお米を入れて蒸します。ご飯のように水を張ったまま火にかけるのと違い、お餅つきのお米や赤飯のように熱い水蒸気で蒸します。他に連続蒸米機という、コンベアーで運ばれている間に噴きつけられる蒸気で蒸し上げる装置を使用している酒蔵さんもあります。

約1時間程度で蒸し上がります。連続蒸米機ですと30分くらいのようです。この場合は続いて放冷機に接続していますが、甑の場合は、蔵人が中に入ってスコップで蒸米を掘り出して放冷機に投げ込みます。微妙な温度の必要な蒸米は布の上に広げられて冷やされることもあります。放冷機は金網のコンベアーと扇風機の組合せたような機械で、出口のところに蒸米の塊をほぐす鬼棒のようなものが回転しています。杜氏さんが蒸米を摘まんで蒸し具合を調べたり、蔵によってはここで麹菌を振りかけたりします。

 

 
蒸米は肩に担がれたり、エアーシューターで飛ばされたりして「麹室」「酒母室」「もろみタンク」に運ばれます。麹室に運ばれた蒸米は麹米(糖化酵素)になり、酒母室に運ばれたものは酒母米(=・米  酵母菌の大量培養)になり、そしてもろみタンクに運ばれた蒸米は掛米(アルコールに変る原料)となります。

糖化酵素作り<麹室>

《蒸米+麹菌=麹米(糖化酵素)》
@蒸米に麹菌の植え付け
放冷機のところで植え付けられることもありますが、蒸米は麹室に入れられ麹菌を植え付けられます  約2日間で麹米ができます

酵母菌の大量培養<酒母室>

《蒸米+麹米+仕込水+酵母菌+乳酸=酵母菌の培養》
A蒸米は酒母室に運ばれます
約10日から25日くらいで酒母ができます

ここでは飛込んでくる雑菌を処理するために仕込水や麹などから出る硝酸還元菌とか乳酸菌の作る乳酸の力を使います。この時に乳酸をひとの手で直接添加する「速醸」と天然の乳酸菌を呼び込んで乳酸を作らせる「山廃」とか高温で雑菌を押さえ込む「高温糖化」などという方法の違いがあります。

さあこれでお米のデンプンを糖に変える糖化酵素(麹米)ができました。出てくる糖分を食べてアルコールを出す酵母菌も大量にできました。

仕込

これからが三段仕込といわれる日本酒の仕込(アルコール発生)です。

2月1日に仕込んだとしましょう。

2月1日 第一段階 (初添え)
麹米+酒母+蒸米+仕込水
蒸米は、酒母の量が1とすると酒母の2倍になる量の添加。
初添えで総量は2となります。

2月2日 お休み(踊り)
階段の踊り場の踊りです。
発酵がしっかり行われるように見守ります。

2月3日 第2段階(仲添え)
蒸米+麹米+仕込水
もろみが2倍になる量の添加。

2月4日 第3段階(留添え)
さらに、もろみが2倍になる量の蒸米+麹米と仕込水を添加。
初添えのもろみがここで4倍になります。この量がこのタンクの仕込総量です。

といった具合に倍々に増量して仕込みます。一度にたくさんの量の仕込をせずに3回に分けて、安全に発酵を進めます。

大吟醸酒の場合は仕込タンクの大きさは1トンあるいは0.7トンくらいですが、普通のお酒の場合は普通2〜3トン、中には6トンとか最大では30トンという大きさもあります。

やがてプツプッツと泡が上がり始めます。

2月10日 発酵が盛んになり、泡が噴きこぼれそうになります。
プラスチックの笠を立てて泡がこぼれないようにします。

2月18日 発酵も治り静かになります。

2月21日 いよいよ搾りです。
アルコール添加もこの1時間くらい前です。

搾り(しぼり)

どろどろにおかゆ状になったもろみを袋に入れて酒と酒粕に分けます。搾り機もいろいろありますが、槽(ふね)といわれる風呂桶のような搾り機がお酒に優しいようです。他にヤブタ式という連続して搾れる機械もあります搾られたお酒はろ過された後、貯蔵タンクに入れられます。普通はこの時に火入れ殺菌が行われます。

途中経過のチェック

夏の頃、お酒の熟成の途中経過をみるために「初呑切り」が行われ、すべてのお酒がきき酒されます。この時にタンクの出荷の順番などが決められます。

瓶詰め

お酒が熟成してから、割り水と火入れを再度行って瓶詰めします。

瓶は苛性ソーダの熱湯で洗瓶されてあります。原酒のアルコール度数は通常18〜20度くらいが多いので、16度くらいまで割り水します。65度くらいで熱殺菌をして瓶詰め打栓します。熱で膨張したお酒はやがて冷め、体積が小さくなり、瓶の上部が真空に近くなります。

最後に、瓶にラベルを貼って出荷されます。

 
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