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ワインの季節感は「ボジョレーヌーボ」の一日だけですが、日本酒は季節どうように四季があります
秋の季節のお酒は「冷やおろし」です
(10月〜11月のころまで)
この冬に造られた日本酒は搾り器にかけられ清酒と酒粕に分離され、熟成のための貯蔵中となっていましたが、山から冷たい風「冷やおろし」が吹き下ろす頃、ひと夏を越えて熟成なったお酒はこの名前で売り出されます。別名「秋上がり酒」とも呼ばれますが、各蔵ごとに定義はなく「生酒のままで貯蔵」「一回火入れで貯蔵」「二回目の火入れもして貯蔵」などいろいろです。神田和泉屋ではそれぞれのデーターを検討して、今美味しく口に出来るお酒を「冷やおろし酒」として出荷いただいています。通常のお酒は同じ仕様の桶をブレンドして売り出されますが、扱いの「冷やおろし酒」はすべて単独桶のものです。

日本酒は一部の大手蔵を除けば、年間を通して酒造りは行われず、普通「寒仕込」と言われる冬の時期だけに行われます。やはりこの時期に造ることになると、米は新米、水は雑菌の繁殖が抑えられる寒の水、気候も寒さが発酵桶の温度管理を容易にしてくれる、多くの藏人が農業に携わっていることが多いので農閑期が利用できる、などという利点があり、「酒は寒造りに限る」と言われるほど美味しさに差が出ています。このお酒、造りの終盤の3月ころには「火入れ殺菌」をして品質を安定させ、夏をこすまで熟成の眠りにつきます。

こんな経緯から神田和泉屋には今までなかった「季節のお酒」というジャンルが誕生。

11月から翌年の桜の頃3月末までの造りのある冬の時期の「生酒」、6月末から9月中頃までの熟成途中の品質チェックの「初呑切り酒」、秋を迎えての「冷やおろし酒」、そして2回火入れの「ふつうの状態のお酒」の発売があるようになりました。それぞれに「加水したもの」「原酒のままのもの」そして「無ろ過のもの」「軽いろ過のもの」「ろ過したもの」があります。

  神田和泉屋では基本的には、「生酒」は「無ろ過の原酒」、「初呑切り原酒」は「一回火入れ軽いろ過原酒」、「冷やおろし」は「初呑切り原酒」の「1回または2回火入れ」そして「加水または原酒規格」を原則としていますが、日本の四季同様にその時期時期に美味しく楽しめる状態を考慮して、お酒の生きる処理をしていただいて出荷となっています。

もちろんその売り出しの間は「季節のお酒の端境期(品切れ時)」となりますが、分かる限りの予告を掲載いたします。


冬の季節のお酒は「生原酒」です
(12月〜3月のころまで)
12月ともなると、どこの酒蔵さんでも造りに入っています。早朝5時、酒蔵の建物はすでに動きがあります。まずは麹室の棚からできあがった「麹」を運び出し、空になった棚に前日麹菌を振って蒸し米に繁殖させた「麹米」を移動するという作業をします。このへんは外部からは見えませんが、8時ころに、蒸し米が出来上がり、これを掘り出して、一部を麹室に運び込みます。この蒸しがたいそう活気のある作業で、もうもうと大量の白い蒸気が湧きだし、「お酒を造ってる、、、」と感じさせます。日本酒造りはたいへんに行程が複雑で、同じ醸造酒のワインとはまるで違います。まず前述の「麹」を作り、次に酵母菌の大量増殖を行う「酒母」作りが行われ、これらの作業ができてはじめて「本仕込み」となります。やがて20日後くらいにアルコール発酵が終了し、搾り器にかけて清酒と酒粕に分離します。搾られた清酒はちょっとにごっていて炭酸ガスも含んでいます。通常の清酒は「澱を引き」「ろ過」をかけ、品質安定のための「火入れ」を行って、熟成の後、秋頃に売り出されます。
 生酒は造りのある時期に売り出されるお酒ですが、最近では冷蔵庫が完備して夏でも生酒を出荷する酒蔵もありますが、「寒鰤」を冷蔵して夏に食しても美味しくないのと同様に、やはり生酒も冬の時期に楽しむのが一番です。
 神田和泉屋の販売する「生酒」は「原酒」の状態で、さらに「ろ過」はもちろん「澱引き」もしていないものを桶を選ばしていただいて出荷していただいております。造りのある間、各酒蔵さんからその時々の搾りたての原酒が届きますが、一週間も経つともう次の桶のお酒へと変わっています。「無ろ過生原酒」の賞味期限はおよそ1ヶ月と実験の結果決めていますが、なるべくお早めに召し上がってください。貯蔵は冷蔵庫が理想ですが、原酒は体力がありますので、冷暗所、たとえば縁の下、下駄箱の脇、陽の差さない北側の廊下などに置いておけば、変質することはありません。

夏の季節のお酒は「初呑切り原酒」です
(6月〜9月のころまで)
6月頃からそれぞれの酒蔵さんは、 貯蔵途中のお酒の状態をチェックするために、初めて桶のコックを開けて利き酒をします。神田和泉屋の店主は、15年くらい前から数軒の酒蔵さんのこの「初呑切り行事」に参加。その折にそれぞれの桶のお酒を少量汲んで瓶詰めしてもらっています。まだ「火入れ」による「灼きむら」も残り、ちょっと粗い感じがしますが、アルコール度数の高さとこのちょっときつめの酸の感じが、気怠いこの季節に美味しく感じられます。10月も半ばころになりますと、神田和泉屋では終売となり、次の時期のお酒「冷やおろし」の季節に入ります。